サン=サーンス「あなたの声に心は開く-オペラ サムソンとデリラより」
サン=サーンス「あなたの声に心は開く-オペラ サムソンとデリラより」
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「あなたの声に心は開く」は、サン=サーンスのオペラ《サムソンとデリラ》に登場するメゾソプラノのアリアです。このオペラは、旧約聖書「士師記」第13章から第16章に記されたサムソンの物語に基づいています。
神に捧げられた存在で、怪力の持ち主であるサムソンは、当時イスラエルを支配していたペリシテ人にとって脅威でした。彼はイスラエルの士師(しし)として民を導いていましたが、ペリシテ人の女性デリラの誘惑により、やがて彼女を愛するようになります。ペリシテ人たちはデリラを利用し、サムソンから力の秘密を聞き出すよう仕向けました。ある夜、サムソンはデリラのもとへ忍び寄り、愛の告白をします。デリラはそれに応えて喜びを歌い、二人の愛を描く二重唱となるのが、この「あなたの声に心は開く」です。デリラは愛の証として力の秘密を明かすよう迫り、ついにサムソンは「まだ一度も髪を切ったことのない黒髪に、力の源がある」と告白してしまいます。その後、デリラの密告によりサムソンは捕らえられ、眠っている間に髪を切られ、力を失ってしまいます。彼は両眼をえぐられ、ガザの牢で粉ひきの労働を強いられることになります。
フランス語による《サムソンとデリラ》は1874年に完成しましたが、非公開公演では酷評され、聖書の物語を扱うことへの抵抗から、オペラ座での上演は拒否されました。そして全曲の初演は1877年、ドイツ・ワイマール宮廷歌劇場にてドイツ語で行われました。この上演は、前任音楽監督フランツ・リストの強い後押しによって実現したとされています。その後、フランスのルーアンでの公演を経て、パリではエデン劇場で初演され、1892年にはついにオペラ座での上演が実現し、成功を収めました。
映画音楽やフィギュアスケートにも用いられるこの作品は、現代にも通じる美しいバラードであり、演奏すればきっとその魅力の虜となることでしょう。
※原曲の調は変ニ長調ですが、演奏しやすいよう伴奏はホルンはヘ長調に、その他の楽器はハ長調に移調しています。
演奏時間 約4分2秒
セット内容
- 楽譜PDFデータ ①独奏譜 ②伴奏譜(独奏譜との総譜)
- 伴奏音源MP3データ
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